真夏の夜の夢。

それは突然やってくる。
暑い夏の夜。
俺の前にヤツは現れた。
第一声はこうだ・・・
「ど~も、ゴキブリです。」


にゃー!!
ユニットバスで俺はゴキブリを発見する。
「今年も出やがったな、このやろー!!」
ヤツは浴槽で右往左往している。
チャンス!シャワー攻撃だ!!
俺はシャワーを手にとりゴキブリめがけスパークさせた!!
「うおおおぉぉぉぉぉ~!!!」
ヤツの気がみるみる上がっていく!!
「なんてヤツだ!水流に負けてないぞ!!」
「うぉりゃぁぁぁぁぁ~!!」
俺は気を上昇させると共に水流をアップさせた。
「ちくしょー!!」
そう叫びながらヤツは排水溝に落ちていった。
しかーし!うちの排水溝は網になっているのでヤツを流しきる事はできないのだ。
俺はヤツがくたばるまでシャワー攻撃を続けた。
暑い夏の夜。
長い戦いは終わった・・・
ヤツは排水溝でグッタリしている。
「偉大な男だった。安らかに眠ってくれ・・・」
戦いに疲れた俺はヤツの処理は後にしようと排水溝にそっと栓をした。
何時間眠っていたのだろう・・・
激しい戦いでだいぶ疲れていたようだ。
俺はヤツを安置する為に戦場跡に向かった。
「いくら憎いからといってシャワー攻撃は少し可哀想だったな、、」
そんな事を思いつつ俺は排水溝の栓を抜いた。
その時!!
元気一杯にヤツが飛び出してきたのだ!!
にゃー!!
俺はネコの鳴き声に近い悲鳴をあげた。
ヤツは死んではいなかった!俺は完全にヤツの演技に騙されていた!!
「ちくしょー!騙しやがったな!!」
そう言って俺は再びシャワー攻撃を開始する。
しかしこれでは同じ事の繰り返しだ、どうすれば・・・
「カビキラーをぶっかけろ!!」
天の声が聞こえた。俺はカビキラーを手に取りヤツめがけて噴射した!!
「にゃぁぁぁぁぁぁ~!!」
カビキラーを浴びてヤツは再び排水溝に落ちていく。
すると、カビキラーの効果かヤツは排水溝の網の隙間を抜けて完全に落ちていった。
終わった・・・
それにしてもヤツの生命力には驚いた。
まだどこかでヤツは生きているかもしれない。
暑い夏の夜。
ヤツはきっとまた現れる。


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