「本当に綺麗になりましたね、まるで別人のようですよ」
そう言って先生は自慢の白い歯を見せて微笑んだ。その瞳はうっすら潤んでいるように見えた。
僕が先生と出会ったのは3ヶ月前。あの頃の僕は”触るもの皆傷つける”いわゆるとがったナイフだった・・・
ガッシャーン!クルクルドーーン!!
「俺に触るんじゃねぇ!前歯にビンビン響くじゃねぇかぁ!!」
ケンカが日課、もう誰も信じられなかった。
道行く人の全てが虫歯菌に見えた、そう長年連れ添った家族さえも。
「君は人という漢字の成り立ちを知っていますか?」
”平成の金八先生”を気取っているつもりなのかわからないが、全く耳を貸そうとしない僕にかまわず先生は話を続けた。
「歯はみかんじゃないから、”腐ったみかんの方程式”は適用できませんが、何か?」
「芸能人は歯が命って言ってたの誰でしたっけ?」
「上戸彩ちゃんのことどう思います?僕は好きだなぁ、、」
最初は右から左へ受け流していた僕だったが・・・
「俺、、嫌いじゃねぇよ、、、上戸彩。」
いつしか先生の熱意に負けて固く閉ざしていた心と口を開くようになっていた、あれから3ヶ月。
「本当に綺麗になりましたね、まるで別人のようですよ」
僕は生まれ変わった。汚い過去とはサヨナラ、僕には輝かしい未来が待っているに違いない。
大きな音を立てて門が開かれた、外の空気を吸うのは久しぶりだ。
「もう二度と戻ってくるんじゃありませんよ。」
何も言わずに僕は歩き始めた、「もうここには戻らない」そう固く決意しながら。
曲がり角にさしかかり後ろを振り返ると、先生はまだ僕を見送ってくれていた。
「・・・ったく」
先生に向かって僕は大げさにガッツ石松ポーズをした。そして、、
今日から新しいチャームポイントとなった白い歯を見せて笑った。
~おわり~
※ドラマティックな内容にする為に、一部誇張した表現が含まれています
え~ということで、歯医者通いが終了しました。あとは3ヶ月後くらいに検診に来て下さいとのことでした。
毎日シコシコ歯と男を磨いて、久しぶりに会った先生がガッカリしないように努力したいと思います。
皆さんには長らく歯医者ネタに付き合って頂きありがとうございました。最後にもう一度、これだけは言わせて下さい・・・
”一般人も歯が命”
コメント
うんうん。
歯磨き粉のCM狙ってるのね。
ライオンちゃーーーん!
俺も行かなきゃなぁ。
歳を取ってからのケアじゃ間に合わない。
ひらく>
CM来ないかなー、一般人代表で出るのになー
ライオンはぁーーーーん!
92太>
ちゃんと行ってきてな。先生も「来てちょ♪」って言ってたYO!