今夜も街の巨匠に感謝 ~後編~

「あぁ、しょこたんのポジションが羨ましいなぁ、、」
そんな事を思いながら川崎に移動した僕はフォリさんの楽器屋さんを目指す。フォリさんは楽器を修理する『リペアマン』と呼ばれる職人である。昔バンドでお世話になっていたのさ。
「毎度っ!三河屋です!!」僕は社交辞令の挨拶をする。
「何しに来たの?」フォリさんは相変わらず冷たいお言葉です。
御茶ノ水に行ってきた事や、ギターを買いに来たと告げる。するとフォリさんは「ギターを買うなら焼肉を食った方が良いぞ」「楽器は値段じゃねー!弾き手の問題だー!」と一蹴。おぃおぃ、あんた商売ベタだねぇ!!客が買うって言ってるんだわよ!「どれが良いの?」と言われ、「コレっ!!」と青いストラトキャスターを指差す。とりあえず試奏させてもらう。
やっぱり安定してるなぁと感心。しかし良いお値段。でも、この際買っちゃう!?どーする??とノリツッコミを繰り返しているとフォリさんが、、
「いかがですか?お客様。」とたまに敬語で話しかけてくる。
「良いですね~。僕も家に1本、古いストラト持ってるんですけど。ノイズとか入って状態が良くないんですよね。結構良い音するんですけど、、」とポツリ。
すると、、
「それ治せばいいじゃん。」とフォリさん。
へっ?
目からウロコです。そーです、治せば良いんですよ。フォリさんはどこまで商売ベタなのか、優しいと言うのか。「じゃ、今度ギター持ってきます!」と僕はルーラを使って家路に着く。
それから一週間後の昨日。
「ちはっ!三河屋です!!」僕は社交辞令の挨拶をする。
「また来たの?暇だね。」フォリさんは相変わらず冷たいお言葉です。
僕のストラトを手渡す。おもむろに分解し始める、、すると「汚ね~!触りたくもない。」とブツブツ言いながら何やら作業をしている。ま、僕がストラトをもらったのが10年前くらいで、おそらく15年くらいは経ってるギターだと思われ。部屋だけで弾いていたのでホコリという名のプライドがたまっていたわけで・・・
そこで僕は初めてギターの中身を見た。もともとギターの本・雑誌とかで勉強したことがなかったので、ギターについて全然知識がないのです。ツマミの意味やら、ピックアップとスイッチの関係とかね。そういうのが何となくわかりました。フォリさんの解説付きで色々と説明してくれたので、とても勉強になりました。
いつの間にか職人モードに突入したフォリさんは、黙々と作業を続ける。手に職があるって素晴らしいなぁ。僕は後ろで覗き込み、あれがこーなるからあーなるのかと感心する。
まず、ネックの反りを治す。次に、どうもピックアップが変更されてたみたいで、その配線が間違っていたのを治す。そして、ダメになっていたスイッチを交換。サビまくっていたネジを交換。ジャックを調整。
そして生まれ変わった我がストラト。見事にザビザビ言わずにイカシタ音が出るようになりました!フォリさん、すごいよ!ヒューヒューだよっ!!
そして修理代も破格の安さでした。忙しいところを2時間近く作業してくれたのにあの値段・・・うぅ(涙)、ありがとうございます!!
これでバリバリ演奏したいと思います。
ありがとう、街の巨匠に感謝☆


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)